共に海洋学者を父に持つ健一とヘレンは父親と一緒に謎の飛行物体が海に降りるところを目撃する。4()人はボートで現場へ向かったが、突然海中からの光線を浴()びて見知らぬ場所へと連れ去られてしまう。そこは宇宙船の中であった。現われた女性は自らをジグラ星人と名乗り、自分達の優れた科学力を証()明するためと言って彼らの目の前()で東京にマグニチュード13の大地震を発生させた。未曾有の大災害中、ジグ()ラ星人は人類に降伏を要求した。海に住むジ()グラ星人は、自分達の星の海を公害で汚してしまったために移住先として美しい海を持つ星を探し、480光年離れた地球を見つけたのだと言う。ジグラは海を占領するだけでなく人類を食料にしようと目論んでいる()のだ()。子供達は宇宙船()からなんとか脱出したが、彼らを追ってジ()グラ星人を名乗る女性も上陸した。一方、ガメラの火炎攻撃を()受けた宇()宙船()は爆発()し、海中を()飛ぶように移()動する銀色の怪獣が現われた。これが本当のジグラ星人の姿であった。母星との水圧の違いからジグラは見る()間に巨()大()化する。ガメラは戦いの場をジグラが苦手とする地上に移す()が、光線()の連射を浴びて海中に倒れてしまった。身動き一つできないガメラ。防衛軍の攻撃ではジグラに対して全く効果がない。最後の希望としてガメラ()を救助に向かった健一達4人も、逆にジグラに1万メートルの日本()海溝へと引き摺り込まれてしまった。4人を人質に取られた防衛軍総司令は遂に降伏を決意した……。
() 事実上、昭和ガメラシリーズの最終話となる第7()作。鴨川シーワールドとのタイ()アップに()より()、海中以外のシーンの大半()はシーワールド内のものである。ただしジ()ャイガーの時ほど制作()費()は掛けられなかったため、戦闘シーンも海中と海岸に限られ、街中()のシーンがないのが残念であった。ストーリーとしては()、同時期に公開され()た()東宝の『ゴジラ対ヘドラ』と同じく、海の汚染()を()大きな柱()とし、()公害の恐ろしさを訴えた作品であるが、対ギ()ロンや対ジャオガーと比()べて内容に若干()まとまりがなく、個々の展開()も妙にあっさりしている感がある。相手の動きを止めることで()簡単に宇宙船から脱出できたシー()ンや、4人を人質に取られただけ()で現場の司令が全人類を代表して簡単にジ()グラに降()伏してしまうところなど()、当時の子供達でも“冗談じゃない”と思ったはずである。もっ()とも子()供を人質に取られると人類全部()が降伏してしまうのはガメラシリーズの特徴でもあり、“子供の命は地球より重い()”を貫いているとも言えるが……。シリーズの他の作品と比較して特徴的なのは、ジグラ星人に操られた女()性役を演じる八並映子の存()在である。ビキニで街中を駆け回るシー()ンは当時の小学生には随分と刺激的であり、月面基地で研究にあたる地質学者とは到()底思えなかった。結果的に最終話となってしまったが、それは制作元の大映の倒産という不測の事態によるものであって、これを作成した時点ではガメラシリーズ自体は続きを作る予定()であったため、特にシリーズ最終回を彩るものはない。これ以後、およそ9年後の『宇宙怪()獣ガメラ』まで、またオリジナルと言う点では24()年後の『ガメラ 大()怪獣空中決戦』まで()ガメラは子供達の前からその()勇姿を隠すのであっ()た。
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